ライオンが困ること（らいおんがこまること）

　動物園どうぶつえんなどで飼かわれているライオンの中なかには、20年以上ねんいじょう生いきるライオンもいますが、野生やせいのライオンの場合ばあい、10年以上ねんいじょう生いきることはあまりありません。

　ライオンは、シマウマやインパラなどの草食そうしょく動物どうぶつなどをえさにしてくらしていますので、恐おそれるものなど何なにもないように思おもわれるかもしれませんが、人生じんせいの中なかで、いくつか、困こまったことに出で合あいます。

　最初さいしょは、赤あかちゃんライオンのときです。

　近ちかくに母親ははおやライオンや父親ちちおやライオンがいるときは、守まもってもらえるのですが、わずかな隙すきをねらって、他ほかの肉食獣にくしょくじゅうが襲おそってきます。

　ライオンは、大人おとなになると、とても強つよいですが、赤あかちゃんライオンの頃ころは、力ちからも弱よわく、逃にげ足あしも速はやくないので、あっと言いう間まに食たべられてしまいます。

　次つぎは、少すこし大おおきくなった頃ころです。

　母親ははおやに、2年間ねんかんぐらいの間あいだは、次つぎの赤あかちゃんができません。

　しかし、ある程度ていど、大おおきくなる頃ころになると、次つぎの赤あかちゃんが、母親ははおやライオンにできます。

　新あたらしい赤あかちゃんが生うまれると、お兄にいちゃんライオンは、群むれから離はなれる必要ひつようがあります。

　自分じぶんの結婚けっこん相手あいてになってくれる若わかいメスライオンを探さがすためです。

　群むれから離はなれるまでの間あいだに、狩かりの仕方しかたを覚おぼえないといけません。

　群むれにいる間あいだは、母親ははおやたちが仕し留とめた動物どうぶつや、一緒いっしょに仕し留とめた動物どうぶつを食たべることができます。

　群むれから離はなれた後あとは、自分じぶんで狩かりができないと、すぐに食たべるものがなくなります。

　今いままで母親ははおやたちの狩かりの仕方しかたをそばで見みていて、狩かりの仕方しかたを教おしえてもらっていても、実際じっさいに自分じぶんでするとうまくいきません。

　狩かりが上手じょうずにできないと、1いっ週間しゅうかんも、2週間しゅうかんも何なにも食たべるものがないことになります。

　そして、そのうちに、飢うえて死しんでしまいます。

　最後さいごは、大人おとなになり、気きに入ったメスライオンを見みつけて、群むれを作つくったときです。

　時々ときどき、他ほかの強つよいオスライオンが、自分じぶんの代かわりに、メスライオンを自分じぶんのものにしようと、襲おそってくることがあります。

　戦たたって群むれを守まもる必要ひつようがあります。

　戦たたかいの中なかで、怪け我がをすることもあります。

　戦たたかいに負まけて、群むれを追おい出だされることもあります。

　オスライオンが、群むれを追おい出だされると、残のこった赤あかちゃんライオンは、勝かったオスライオンに殺ころされることが多おおいそうです。

　百獣ひゃくじゅうの王おうと言いわれるライオンですが、強つよいライオンでも、困こまることがいろいろとあるんですね。

ライオン（らいおん）