ずっとあなたが…

　女おんなの人ひとから「ずっとあなたが…」と言いわれると、多おおくの男おとこの人ひとは何なにかを期き待たいするのではないでしょうか。

　例たとえば、ずっとあなたが好すきでした。あるいは、ずっとあなたを愛あいしています。

　このような言葉ことばを女おんなの人ひとから言いわれたら、多おおくの男おとこの人ひとは、舞まい上あがってしまうと思おもいます。

　このような反応はんのうをするのは、別べつに男おとこの人ひとばかりだとは限かぎらないでしょう。女おんなの人ひとでも、好こう意いをもっている男おとこの人ひとから、「ずっとあなたが…」と言いわれると、それだけでうれしくなってしまうと思おもいます。

　でも、もし小ちいさな女おんなの子こから「ずっとあなたが…」と言いわれたとしたら、次つぎに続つづく言葉ことばはなんだと思おもいますか？

　今回こんかいは、ある男おとこの人ひとが、小ちいさな女おんなの子こから「ずっとあなたが…」と言いわれたお話はなしです。

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　小ちいさな女おんなの子こが道みちばたで泣ないていました。

　どうしたのだろう、と思おもって通とおりかかった男おとこの人ひとが声こえをかけました。

「どうしたの？　なんで泣ないているの？」

「さっき、ここで百円玉ひゃくえんだまを落おとしたの。ずっと探さがしているけど、見みつからないの。」

　かわいそうに思おもった男おとこの人ひとは、自じ分ぶんのさいふから百円玉ひゃくえんだまを取とり出だすと、女おんなの子に差さし出だしました。すると、小ちいさな女おんなの子こは、男おとこの人ひとに向むかって言いいました。

「さっきからないと思おもっていたら、ずっとあなたが、かくして持もっていたのね。」

　どうでしょうか。予よ想そうとは違ちがった言葉ことばだったのではないでしょうか。

　小ちいさな子こどものかんちがいはかわいいけれど、男おとこの人ひとはおどろいたでしょうね。

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